歩いても歩いても

菓子職人 お盆休みの最終日、洗濯と朝食を済ませてから朝一番で京都シネマへ。到着が9時25分、少し並んで開場が35分、スタートが10時ジャストの『歩いても 歩いても』を観てきました。舞台は夏休み後半の海に近い町、長男の命日に老夫婦のもとへ集まった家族の24時間。お盆休みに観るには最適の家族の物語、夏の昼下がりによく合うゴンチチの音楽も素敵で、ちょっと笑ってちょっぴり切なく、大人の映画に仕上がっています。帰りには西大路松原西入ルにある「菓子職人」に立ち寄って、今夜のホームパーティー用のスイーツを購入。今夜は先日結婚した長男夫婦と明日東京に戻る三男もいっしょに、家族の時間を楽しむのです。

 いい映画でした。脚本がとてもいいし、ロケーションもカメラも、そして何よりも美術スタッフの仕事がたいへん丁寧。古くなった開業医の家のたたずまい、子ども部屋や風呂場などが細部にまで周到に描かれています。そしてそれら全体が、作品タイトルの意味を知る瞬間に、全て解け合ってお腹の中へストンとおさまるのです。主演は阿部寛ですが、実質的には樹木希林の独演会と言ってもいいくらい。40代以上の方には、ぜひとも今月中にご覧になることをお勧めします。

 人生は、いつもちょっとだけ間に合わないことに満ちているのだ。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.