第2回「ちおん舎・新染屋町寄席」に行ってきました

 今年の3月5日に新しくスタートした新染屋町寄席、昨晩はその2回目。少し早めに家を出て、大丸横・びーんず亭でコーヒー豆購入、烏丸三条の大垣書店で米二さんの著書を購入、続いてyamayaでチリワイン2本で1000円のものを購入と、持参の買い物袋を一杯にして到着したのがちおん舎。ところが、開場時間を30分間違えていたために、時間つぶしに周辺散策。改めて会場入りして、前回同様最後尾のイス席をゲット。幸い、入場者は前回ほどではなく、ちょうど演者の正面という好位置。中入りなしの4席、終了後の抽選会を入れても1時間45分、余裕を持って楽しむことが出来ました。

 昨晩の番組は、次の通り。

時うどん(桂三四郎)
開口一番は先日の市民寄席で聞いた三四郎君、何をやるのかと見ていると時うどんに入りました。しかし、2軒のうどんやをうどんそのもので比較する本来のやり方ではなく、兄貴分とアホのやりとりだけを強調。翌日の場面でも、時間設定の言及の無いままにオーバーアクション、これでは落ちが通じない、これは当人の演出なのか。確かに、笑いたくてしかたのないおばさまたちには受けていましたし、お笑いタレント好きの若い人にはうけるかもしれません。しかし、先人の工夫の積み重ねをこの人はどう捉えているのか、おおいに疑問が残ります。次に上がった吉坊の皮肉なコメントに、深く同感したのでありました、20分。
稲荷俥(桂吉坊)
本日のお目当てはもちろんこの人、故・吉朝さんの5番目のお弟子さん。入り方がうまいのです、抑えた声で聴衆の耳を引きつけ、前座のドタバタから瞬時にして大人の空間へ場面転換。ネタは米朝一門おなじみの、稲荷の眷属として人力車を乗り逃げしたものの、大事な金を稲荷の福として取られてしまうもの。顔は童顔ですが、むしろ風格さえ感じ取るのは贔屓しすぎか、25分。
蝦蟇の油(笑福亭由瓶
鶴瓶さんの11番目のお弟子さん、初めて聞きました。いささか暑苦しい風貌ですが、愛くるしいキャラクターは憎めません。パワー全開で語られますが、もう少し抑える部分を入れてメリハリを付けてくれると、もっと聞きやすくなるでしょうね、18分。
片棒(桂ちょうば)
この会は、ちょうば君と二乗君が交代で出演する趣旨、今回はちょうば君の当番ということで聞きに来たのでした。先日の市民寄席では雀松さんで聞いた噺ですが、全く同様の演出、ひょっとして雀松さんにつけて頂いたのでしょうか。同行したツレアイの観察によれば、雀松さんは祇園囃子の鉦の叩き方を丁寧に演じていたけれど、ちょうば君はそこが雑だったとか。ともかく、変ないじりが全くない素直な語り口と展開、大変好感が持てます、25分。

 今の京都では、河原町通りの衰退と治安悪化が問題となっていますが、それに比べて烏丸通りや室町あたりの楽しいこと。飲食に限らず、伝統的な糸偏産業がそれなりに工夫されている姿が垣間見えて、誠に結構な街歩き空間となっています。ちょっと贅沢な気分を味わった、週末の夜でした。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.