新熊野神社御鎮座850年祭

大楠

 今年の夏休みに京都の熊野三山詣でを実現したことは、熊野in京都という記事で報告済み。その際、椥の木をいただいたことをご縁に、全国熊野会と大樟保存会への入会によって、非売品のナギの実ブレスレットをいただいたのでした。その新熊野神社の御鎮座850年祭が10月16日(土)に行われ、参加することが出来ました。祭典のプログラムには山内とも子さんの平家琵琶の演奏、山城舞楽会による巫女舞の奉納もあって華やかに。わけても、神前で神職と僧侶(今熊野観音寺)それに山伏(聖護院門跡)がともに般若心経を唱える場面では一般の参加者も大勢唱和して、かつての神仏習合の姿が鮮やかに現前に展開されたのでした。当初は、祭典後に新しくつくられた「熊野古道」を山伏の先導で渡り初め、それが終わるのが12時という予定だったのですが、本殿に参加者全員を入場させるのにずいぶんと時間がかかったこともあって、私は渡り初めには加わらずに帰宅、それでも、たいへん貴重な体験をさせていただいたことでした。

 私自身は、地域社会学の立場から現在の熊野地方の生活実態を調査・記録することを自分の仕事としています。とはいえ、やはり熊野信仰に関する歴史的・宗教的・文化的理解は不可欠。そんなことから、年数回の熊野詣はもちろん、京都における熊野信仰の現在についても、できるだけ観察したいと考えています。はからずも、夏休みの椥の木との出会いをきっかけにして、新しい研究の糸口を与えていただきました。今後は、定点観測の継続に心がけるつもりです。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.