米朝一門夏祭り2011

 8月5日(金)、サンケイホールブリーゼにて開催された米朝一門夏祭りに出かけてきました。旧サンケイホールには2005年7月の同じ催しに出かけていますが、新装なってからは今春の南光こごろう親子会に続いて2回目。今回は2階席の後から3列目、角度があるので舞台を観るには問題ないのですが、冷房が効きすぎて寒かった。ロビーでは夏祭りと銘打って、落語でお馴染みの「柳影」の販売などありましたが、私のお目当ては今夏東京で開催された米朝展のパンフレット、年譜と写真、それにDVDが付いて金千円也。DVDに収録されている映像は、米朝ばなし(読売テレビ、1986年1月18日)・関西偉人館(朝日放送、1997年3月22日)・佐々木裁き毎日放送、(1993年12月26日)の3本、これはお盆休みの楽しみにとっておきます。

大安売り(桂ひろば
恰幅のいいひろば君にはぴったりの相撲ネタ、単純なやりとりでオチも見えていますからテンポが重要。いいお客さんにも支えられて、大舞台での前座を無事務めました、15分。
青菜(桂吉弥)
先月末の三三・吉弥ふたり会でも聴きましたが、マクラは例によって朝ドラネタ。「ちりとてちん」で売れたのは事実ですが、だからといってそれ以降のドラマをけなすのは、いくら一門のファンの前とは言えいい気持ちはしませんね。咄の方は、やはり前回同様に旦那と植木屋の人物が大して変わらないのが難点。身体は太って重そうなのに、人物がだんだんと軽く感じてしまうのはちと寂しい、20分。
夏の医者(桂南光)
ウワバミが夏の暑さにうだって昼寝、その上を通る人間を丸呑みにするという、いかにも落語的世界。以前ならついつい枝雀師の面影を捜してしまったのですが、いまや南光という噺家の存在感がそれを上回っています。師匠譲りの多くのネタを自家薬籠中のものとして、今や落語でも立派な大看板です、25分。
遊山船(桂ざこば
先月の七夕の夜の南座での一門会と同じマクラ、孫はかわいくないという咄で冒頭から爆笑を呼びます。この方は、メディアへの露出が自身の芸に言い影響を与えているという意味で、代表的な芸人さんですね。日常生活を題材としながら、聞き手にはざこばさんならさもありなんと自然に思わすことができる、「ざっこばらん」という身辺描写がそのまま落語になるというのはすごいこと。夏らしく遊山船、咄は可もなく不可もなしの30分。
中入り
怪談 市川堤(桂宗助)
米朝さんの最後の直弟子ですが、吉朝さん亡き後は、やはり咄という意味では米朝落語の後継者と呼ぶに最もふさわしい方。かつて師匠が初めて取り組んだサンケイホールでの独演会でも演じられた怪談、大舞台の(実質)トリということでかなり緊張があったのでしょう、珍しく数カ所かむシーンがありました。夏祭りということで、後半の幽霊の登場する場面では、客席何カ所かに白装束の幽霊が現れて場面を盛り上げます。私自身はこの咄は初体験でしたが、エアコンのない時代にはこのような演出は受けたでしょうね。遠目では少し痩せたかなと思ったのですが、体調に気をつけられて堂々たる噺家の道を歩んでいただきたい、47分。
大喜利(南光・千朝米平こごろう米紫紅雀)
最後は南光さんの進行による大喜利、米朝師の新刊句集やパンフレットの宣伝を折り込み、会場とのやりとりで沸かせ、結局南光ワンマンショー。事務所としては、このような場を仕切れる次代のスターの登場が待たれるところ、30分。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.