第一回桂米二一門会@文芸会館

 京の噺家・桂米二さんの初めての一門会、実は「予約第一号」でありまして、楽しみに出かけてまいりました。会場は京都府立文化芸術会館3階和室、いつもの部屋ですが、初めての一門会ということで超満員。確かこの部屋の定員は60名のはずですが、優に100名は越えていた(はず)。お陰で場内は熱気むんむんの暖房いらず、いささか窮屈ではありましたが、和気藹々の2時間半。何であれ、新しい始まりに立ち会うのは嬉しいことです。この会が二回、三回と続くことを願って、楽しく帰路につきました。

 1月29日(日)当日配布のプログラムには、二乗君と二葉ちゃんの挨拶文が掲載されており、「なるほど、一門会だなぁ」と納得した次第。以前は直ぐに散逸してしまうチラシ類、近頃はプログラムだけはEvernoteに保存するようにしています。

東の旅発端(二葉
上方落語協会のプロフィールは登録されていますが(画像はなし)、米朝事務所のプロフィールは未登録ですね。プログラムには「開口一番」としてありましたが、ネタは「東の旅発端」。先月聴いたときは緊張が勝ちすぎていましたが、今回はだいぶリラックスした様子。一カ所詰まったところはありましたが、無難にこなしていました。今はただ、教わったとおりに声を張って努めるのが一番(15分)。
正月丁稚(二乗
入門して9年目、果たして今の持ちネタはどれくらいあるのか。このような季節ネタをきちんとレパートリーに入れておくことは大事ですね。年末年始の商家の過ごし方、近隣との付き合いの仕方が盛り込まれた貴重な風俗噺、師匠は教科書としては最適の方ですから、ウケなど狙わず素直な語り口を続けて欲しいものです。10年経つまではこのままこのまま・・・(22分)。
時うどん(米二
自分の後に再び弟子が登場するというのは、米二さんには初体験でしょうか、これも一門会ならではで結構なこと。多分、彼の時うどんは初めて聴いた気がします。先日テレビで拝見した滝川鯉昇さんの「時そば」には衝撃を受けましたが、今回の時うどんもけっこうでした。清八の「腹黒さ」を強調するのは米二さんにぴったり、途中で「時の数え方」の学習タイムもあったりして、いっそう場が和みました。本日の秀逸(25分)。
茶の湯(二乗)
先日の歌之助が遺したネタ達で師匠の噺を聞いたばかり、比べるのは気の毒ですが、一生懸命さは伝わってきました。ご隠居と丁稚の定吉が中心ですが、借家の3人と最後の訪問者が登場し、それなりに人物像を描き分ける必要があります。その意味では、まだまだメリハリが不十分という印象はぬぐえません。高めの声で一本調子に聞こえてしまうのですが、ま、何度もチャレンジしていただきましょう(30分)。
中入り
池田の猪買い(米二)
今日のような大入りでしかも和室の座布団の上、さすがに五席目ともなると疲れてきますね。米二さんの猪買いも初めてかな、ほぼ米朝師そのままと思われますが、この時期にこの咄を聴くと鍋が食べたくなります。さすがにボタン鍋とはいきませんが、帰路に河原町丸太町のフレスコで白ネギと菊菜を買い足して、夕飯は手作りポン酢で鍋。食べ物の噺はいいですね、出来も良かったと思いますが何しろ疲れていたので集中力が持ちませんでした(36分)。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.