第十八回もんぼう寄席

 西本願寺の宿・聞法会館で開催される「もんぼう寄席」、京の噺家・桂米二さんがお世話される会ですが、毎回4席聴けて何と1000円! コストパフォーマンス抜群のこの会も数えて18回目、毎回300名を優に超える参加者で満員御礼、鬱陶しい天気ではありましたが本日も老若男女ならぬ老々男女が大集合、日曜午後の一時を楽しく過ごすことが出来ました。

 今日の番組は、次の通り。

癪の合薬(桂二乗
この噺、私は初めて聴きました。箕面に遊山に出かけた娘が帰路に癪をおこし、やかんを嘗めればそれが治るとのこと、ちょうど通り合わせた武士がやかん頭、手打ちを承知で頭を嘗めて癪を治めるという噺。小品ではありますが、ちょっと毛色の変わった咄であり、箕面が登場することもあって興味深く聴けました。しかし二乗君、自分で「小心者」との自己分析ですが、その言葉通り噺に入ってからも「おどおど感」が残っていて落ち着かない。後輩も出来たこと、もっと堂々と先輩らしく演じてほしいもの(19分)。
牛ほめ(桂米二
いつもこの会では米二さんが二席聴けるのは有り難い。一席目は、マクラから予想通りの牛ほめ。いつの会でも直前まで率先して準備されていますから、そのせいもあってか、どうも準備不足の印象がぬぐえません。この噺も何となく淡々と展開するだけで、今ひとつ盛り上がりに欠けました。普通は「秋葉さんのお札」とするところを「愛宕さんのお札」としたのは米二さんのオリジナル、手慣れすぎてかえって流れたようで少し不満(27分)。
天王寺詣り(笑福亭三喬
彼岸に入って二日目、この時期にもっとも大阪らしい噺、そして笑福亭の匂いがぷんぷんする風貌と語り口。直前二席があまり盛り上がらなかったこともあって、客席は大満足。オリジナルのくすぐりを随所に入れながら、他方では言葉の解説も適宜入れて大変聴きやすい高座。風格すら感じさせる今日の三喬さん、三十石と並ぶ上方の風俗落語をしっかりと継承してくれています(29分)。
仲入り
住吉駕籠(桂米二)
乗り物好きの米二さんらしく寝台特急の話で盛り上がるマクラは結構でしたが、予想通りの住吉駕籠は今ひとつ乗り切れず、立て弁の所で言葉を飛ばすミスも。全体として、疲れが溜まっておられるのかと、ちょっと心配してしまう長講でした(39分)。

投稿者: myon

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