第19回もんぼう寄席

 西本願寺の宿・もんぼう会館を会場に、京の噺家・桂米二さんがお世話なさる落語会、毎回4席聴けてたったの1000円、数えて19回目が6月2日(土)に開催されました。これまでは徒歩もしくはバスで行っていたのですが、後のこともあって初めてクルマで。ところが、拙宅からは10分とかからぬ至近距離、しかも広大な駐車場は当然無料、次回からは可能な限り車で行くことにしましょう。今日のお目当ては笑福亭銀瓶さん、初めて生で聴いたのは2011年9月10日「第4回銀の花瓶に菊乃情」(天満天神繁昌亭)。ところが、当夜のことはブログに投稿していなかったのですね。実は菊之氶さん目当てにいったこの会ですが、銀瓶さんの古典と新作いずれも切れの良い語り口に、すっかりファンになったのでした。

 今日の番組は次の通り。

道具屋(桂雀太
雀三郎さんの三番目のお弟子さん、今年で入門から10年、初めて聴きました。高座姿には落ち着きがあって、口調も結構。お馴染みの噺ではありますが、基本通りの演出で嫌みがない。私にはとても好感の持てる噺家さんでした(20分)。
遊山船(桂米二
米二さんの会のいいところは、季節感を大事にするところ。6月に入ってこれから暑くなる時期、自宅の屋根裏部屋の暑さから入って予想通りの「遊山船」。庶民目線の喜六のボケに、会場は抱腹絶倒。サゲ前の夫婦のやりとりは少しあっさり目でしたが、夏の夜の蒸し暑さと川風の清涼感、心地よい高座で本日の秀逸(29分)。
一門笛(笑福亭銀瓶
桂米朝作のこのネタ、今となっては東西いろんな方が持ちネタにされています。銀瓶さんを初めて聴いたときもこのネタでしたが、彼は口調がいいのはもちろんですが、所作もなかなか綺麗なのです。背筋を伸ばしたり前屈みになったり、その姿勢と場面転換のタイミングがぴったりで実にメリハリのある高座。はじめてのもんぼう寄席ということでマクラ部分は手探りの様子が見えましたが、ネタに入ってからは十分に魅力的でした(31分)。
仲入り
マクラで自分の写真集の宣伝をされていたこともあって、銀瓶さんの写真集を3冊買い求めました。千社札シールを貼ってサインを入れたもの、次回寺口亭来訪者に差し上げますよ、先着順で。
千両みかん(桂米二)
一席目が夏の噺だったので次はどうするのか・・・、やはり夏の噺が出ました。趣向の似た崇徳院なら年中出せますが、やはりこの噺は季節限定。個人的な聴き所は天満の蜜柑問屋、三番蔵の様子を調べさせている間のやりとり。煙草を吹かしながら世間話となるのですが、「磔」が頭から離れない番頭に対して、問屋は客を待たせる間の何気ない会話。今回は、「大飯原発」再開についての時事ネタでした。夏の暑さを十分に効かせた上でサゲにつながるのですが、何しろ場内の冷房が効きすぎて私の周囲では腕をさする音が聞こえるほど。せっかくの噺の世界から少し引き戻されてしまう、大きな会場はこの辺りが難しいですね(37分)。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.