第56回臨時停車の会(2012年8月7日)

 京の噺家・桂米二さんが世話役の落語会、いつもはツレアイと行くのですが生憎予定が入ったためにkumaikoさんを誘って行ってきました。少し早めに着いたので、腹ごしらえに向かったのは直ぐ北にある新福菜館府立医大前店、外でラーメンを食べるなど何年ぶりだろう?この会は火曜日の夜に設定されているのですが、普段は授業の関係で無理、夏休みは有り難い。場所はいつもと同じ京都府立文化芸術会館、立秋とは言え厳しい暑さ、さすがにこの時期の和室での会を避ける方が多かったのか、いつもより会場のスペースに余裕がありました。

牛ほめ(桂二葉
入門して1年半、東の旅発端・動物園に続いて3本目のネタ。京都で演じるのは初めてとのことで楽しみに。登場してまずは携帯電話の電源オフと空調具合の確認。いつもどおりですが、登場した瞬間から下がるまでの間、観客全員が保護者のような視線・姿勢で見つめ続けているのですね。ある意味、学芸会を見ているような気分があるのかも知れません。ところが今回の二葉ちゃん、ずいぶんと成長した姿を見せてくれました。若い女性ですから無理に男声を作って喋ると無理がある、そうではなく、対話のコントラストで登場人物を描くということが随分と出来るようになりました。覚えた噺を声に出すという段階を超えて、演じるという領域に入ってきた気がして嬉しかったですね、25分。
天王寺詣り(桂坊枝
小文枝に入門して来年で30年、年齢もいつの間にか50を超えて今やベテランの域。メディアではちょいちょい見かけていますが、生で聴いたのは初めてかも知れません。間もなくお盆、そして秋の彼岸という時期にぴったりのネタ。何と、入門して最初に付けていただいたのがこのネタというから驚きです。「大阪案内」とでもいうべき内容を含み、往時の彼岸のにぎわいや人々の気風が折り込まれた「風俗落語」とし個人的には大好きなネタの一つ。所々に「小文枝の息」を感じられて大変結構でした、37分。
二階借り(桂米二)
私など「茶漬間男」という表現になれているのでこのタイトルには違和感があったのですが、プログラムの解説に寄れば米朝師でも比較的早い時期にこの表現を使われていたとか。内容が内容だけに演じる機会が制限されますが、今日は後に大ネタがあるので、そのバランスで選ばれたのでしょうね。艶笑噺というのは爆笑をとるのではなく、クスリ・ニヤリが身上。もっとも、個人的にはマクラでの「盆屋」の解説あたりが聴き所、艶笑落語というよりもこれも「風俗落語」として楽しみたいですね、21分。
仲入り
本来なら、めくりを戻さないといけないのですが、みんな暑さでぼーっとしていたのかな。米二さんが登場しても、ずっと「仲入り」状態でした。写真が撮れなかったのが、ちと残念。
胴乱の幸助(桂米二)
今年の我が家は文楽強化年、それもあって文楽を扱う噺ということで今夜のお目当てはこれ。聴き所は稽古屋での師匠の語り、今夜の米二さん、いつもよりだいぶ長〜くやっていましたね。私も早く、「あれはあの話のあの部分を誰それを意識して」といった楽しみ方をしたいものです、40分。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.