『阿賀に生きる』を観る

 世間では三連休の方が多いようですが、私はともかくツレアイは本日のみ休み。朝食を済ませてから散歩をかねて梅小路公園へ、そのまま京都みなみ会館まで歩いて、映画『阿賀に生きる』を観てきました。1992年に公開された作品のニュープリント、阿賀野川の流域に暮らす人々に密着したドキュメンタリー。田んぼの話、風の話、船の話、漁の話、そして新潟水俣病・・・。公開当時私は単身赴任中、残念ながらドキュメンタリーとして異例のロードショー公開されたという本作については、何の記憶もありません。散歩の結果偶然出会った映画でしたが、とても素晴らしい内容でした。肩の力が抜けた制作姿勢、押しつけがましさなど全くありません。ぜひ、多くの方にご覧いただきたいと思います。

 『阿賀に生きる』はドキュメンタリー映画の開拓者、佐藤真の初監督作品です。1992年当時、映画館でドキュメンタリー映画がロードショーで上映されることがなかった時代、異例ともいえるロードショー公開がなされ、第24回スイス・ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭で銀賞ほか4賞受賞、山形国際ドキュメンタリー映画祭優秀賞受賞、フランス・ベルフォール映画祭最優秀ドキュメンタリー賞、サンダンス・フィルム・フェスティバルIN TOKYOグランプリ受賞など、名だたるドキュメンタリー映画祭で最高賞を次々獲得。
 新潟水俣病という社会的なテーマを根底に据えながらも、そこからはみ出す人間の命の賛歌をまるごと収め、世界中に大きな感動を与えました。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.