第六回桂米二一門会@文芸会館

キリンからのプレゼント
 2014年2月2日(日)、京の噺家・桂米二さんの一門会も数えて六回目、この会だけは欠かさず聴かせていただいてます。何と今回はお土産付き、米二さん愛飲の缶チューハイをブログで何度も紹介されていたのがキリンビールの目に留まり、感謝状と記念品の贈呈となったしだい。我々観客もそのおこぼれに預かり、今回は先着120名に写真の詰め合わせが振る舞われました。しかし、文芸会館の和室、よく詰め込みましたねぇ。幸い私は最前列で前に余裕があったのですが、大半の方はかなり窮屈な思いをされたのでは。ともあれ、お弟子さんの成長ぶり(迷走ぶり?)を観察できるいい機会ではありました。

「動物園」(桂二葉)
すでに何度か聴いていますが、今日はちゃんと「マクラ」をふってからのネタ入り、内容はともかくオジサンとしてはその成長ぶりがただただ嬉しい。もっとも、後の「トーク」の中で師匠が触れていましたが、「高座の喋り」にはまだまだ。間もなく「年季明け」を迎えますが、決して「一人前」ではないことはご本人が承知しているはず。折角の個性を殺すことなく、あと5年(30歳まで)はこのまま精進して欲しい、20分。
「しゃれしゃれ」(桂二乗)
くまざわあかねさんの新作とのこと、本人曰く高座にかけるのは三回目とのこと。幇間を主人公にした噺、いかにも「作り物」という印象で作品の中の世界が浅く、話術も単調。申し訳ないが、ウトウトするうちに終わってしまいました。義理もあるでしょうが、無理にやる必要ないかも、26分。
「厄払い」(桂米二)
旧暦新年ということで、次のネタも含めてタイムリーな選定ですね。もっとも、「動物園」の仕事の噺とツクことを少し気にされてはいましたが。この種の「風俗落語」は、詳細な説明はあまりなくても「こんなもんや」と思わせるだけで十分その存在価値があると思います。個々の言葉の意味よりも、全体としての調子の良さが伝わればじゅうぶんではないでしょうか。寒い時期にはやはり聴きたい噺、笑いは少なくとも満足の21分。
「初天神」(桂二乗)
これも後の「トーク」で師匠からありましたが、どの噺も「単調」になるのですね。その理由の一端は、登場人物全員に力を入れすぎること。それ故、メリハリがつかないので聴く側は眠たくなるのです。一門会故サゲまで通せるわけですが、まだまだネタを通すことに汲々として、ご自分で「ここを聴かせたい」というものが感じられません。もったいないなぁ、34分。
仲入り
「トーク」
一門会ならではの内容を期待するのですが、前回はサッパリでした。今回は、米二さんからプロの落語家としての心構え=力を入れすぎないこと、との重要なお話がありました。二葉ちゃんはともかく、二乗君はどの程度真剣に受けとめたのでしょうか、13分。
「親子茶屋」(桂米二)
和室の最前列で、鳴り物の三味線を側で聴けるのは上方落語の醍醐味。前半自宅での説教部分のやりとりと、後半茶屋でのオヤジの言いつくろい。お茶屋遊びなど知らなくとも、親子関係の描き方のメリハリで十分に笑いもとれ、現代でも通用する噺。やはり、ネタの持つ価値を大事にすることが落語にとって最も肝要なこと、28分。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.