第2回桂南光独演会@文楽劇場

桂南光独演会
桂南光独演会

 桂南光さん、念願叶った文楽劇場での第一回独演会が2013年9月1日のこと、ちょうど一年経って本日が第2回目。昨年が「寝床」「子は鎹」、今回が「火焔太鼓」「胴乱の幸助」と、いずれも文楽に関わる大ネタを入れて気合いたっぷり。前から2列目で間近に表情も観察でき、余裕を持ちながらも全力投球。後部にやや空席もありましたが8部以上の入り、13時30分開演・15時50分終演という番組は時間配分もありがたく、早いうちに帰宅できました。もちろん、来年の第3回も行きたいと思います。

子ほめ(桂吉乃丞
このところ、落語会での吉乃丞率高し。「落語を聴くためのあいうえお」という定番のマクラから入っての子ほめ、ほとんど入れごと無しに忠実にやっていると思います。それゆえ、原作のおもしろみを味わえる演じ方、私はこの人は高く評価しています。願わくば、不器用・無骨(のように受け取れる)のままで突き進んで欲しいですね(19分)
火焔太鼓(桂南光)
昨年4月の南天さんとの会で聴いているはずなのですが、記録を残していなかったのでその時の出来は良く覚えていません。小佐田定雄氏と二人三脚で、上方風にアレンジしての初演だったと思います。他にも何人かやられる方がありますが、私は生で聴いた記憶はありません。南光流火焔太鼓、道具屋の親父が養子という設定、太鼓の音を聞きつけて店に飛び込んでくるのが住友の番頭、なるほど上方を舞台とする上で無理がない。太鼓が300両で売れるシーン、金の勘定が200両まできて水を飲むが、家で女房に金をみせるとこちらは150両で水を飲むというところなど南光独自の工夫かな。ともかく、個人的には一にも二にも五代目志ん生(音のみ)もしくは三代目志ん朝のDVDがこのネタの代表でありますが、我らが南光師の出来は上方流火焔太鼓として十分「商品」になっていますね、大満足でした(40分)。
中入り
太神楽(豊来屋一輝
ラッキー幸治さんの筆頭弟子、初見です。やはりこの手の芸は大事ですね、大好きな落語ですが今日のような大ネタを集中して聴きたいとき、色物が間に入ることで緊張がほぐれて結構。楽しませていただきました(15分)。
胴乱の幸助(桂南光)
昨年の「寝床」は、実は噺の中で実際の義太夫を語る場面はありません。今回は稽古屋のシーンがありますから、果たして「帯屋」をどう語るか、興味はその一点であります。ところが南光師、極めて平静・冷静に演じたためにすこし呆気なかったですね。もちろん、噺の展開上当然なのですが、もう少し浄瑠璃で遊んで欲しいと思ったのは我が儘か。昨年のこの会場で買い求めたトートバッグの似顔絵のように、汗振り乱して語る南光師、もう少し見たかったなぁ(49分)。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.