のせられやすい男

 昨年の今頃はTwitterを始めたばかり、しばらくは一日分のつぶやきをブログに自動投稿する状態が続いていました。むろん、友人諸氏には極めて不評、6月28日に始まったつぶやきブログは、あっけなく7月13日に最後を迎えたのでありました。そんな最中の数少ない記事の一つが、2009年7月10日(金)の夏色空間、おじさん向けの夏用オムニバスアルバムを買ったという記事。何しろamazonのDMを見て即発注、恐怖のワンクリック男の本領を発揮したのでありました。一年後の今朝、土曜日と言うことでのんびりしていたのですが、ふと思い出したのが今週3度の車通勤の車内で耳にした原由子の歌、ググってみると、なんと新しいアルバムが発売されていたのですね。タイトルはハラッド、サザンのアルバムは(ほとんど)揃えている身としては見逃すわけにはいきません。例によって、恐怖のワンクリック男となったのでありました。
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近頃の車内読書

 iPhone購入から5週間が経ちました。先達sampe氏によれば「本を読まなくなる」とのこと、なるほど、確かに通勤車内でもついついiPhoneを触ってしまいますね。ただ、先週は熊野への長旅があったこともあって、少しまとまった読書をしました。本来ならばブログに読書記録を綴るべきところではありますが、まずは購入の記録だけでもと、メディアマーカーへの登録だけは忘れずに行います。購入日や読書状況、簡単なコメントも記入できるので結構便利。twitterとの連携もできるので、お勧めです。
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メディアマーカー始めました

 ひょんなことから、このようなサービスがあることを知りました。朝食後に早速作業、とりあえず今年の購入図書を登録しています。私の場合は、amazonで検索して、購入するのは楽天ブックス。というのも、amazonでは自分の買い物はアフィリエイトの対象とされないから。もちろん、オンラインで購入したものは記録が残りますが、書店で購入したものについては分かりません。さて、無駄遣いなのか心の栄養なのか・・・。

 メディアマーカー

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孤宿の人

宮部みゆきさんの作品は、文庫化されたものはみな読んでいます。今週の通勤車内読書は孤宿の人、上下2冊をしっかり読んで、たっぷりと楽しませて頂きました。彼女の作品は、やはり現代物よりも時代物の方が好きですね。この作品は讃岐・丸海藩が舞台、もちろん、読めばすぐ分かるように丸亀のことです。私にとっては、大学1年生の夏休みに友人宅を訪れた懐かしい町。善通寺や多度津とともに、瀬戸内の気候や街並みは古い記憶として残っています。この物語を構成する二大要素は御霊信仰と毒、とりわけ御霊信仰については私の授業で取り上げる内容でもあるので、学生諸君にも是非一読を勧めたいと思います。リンクをクリックして、amazonでご購入下さい。

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南方熊楠と熊野

 生涯学習吹田市民大学については、すでにこのブログでも告知しています。昨日は第三回目で私の担当、「南方熊楠と熊野」というテーマで話をさせて頂きました。私自身は熊楠を専門的に研究しているわけではありませんが、自分の方法論(=内発的発展論)とフィールド(=熊野)にとっては、畏敬と親しみを感じている存在です。120名の熱心な聴衆に果たして満足して頂けたかどうか、あまり自信はありませんが、やはりこのような場を与えて頂いたことは励みになります。吹田市教育委員会とご参加いただいた皆様に、改めてお礼申し上げます。
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『台所のオーケストラ』を味わう

 先日古本で入手した、高峰秀子さんの『台所のオーケストラ』を味わっています。著者のオリジナルレシピを集めた本ですが、いやぁ、なかなか愉しませていただいています。有名女優である彼女が1979年に引退宣言、その後は精力的に執筆活動を展開されているとのこと。私がゲットしたこの本は、1982年6月に第一刷がでて、11月2日に32刷、半年足らずでこの数字はすごい。まずは装丁がきれいです、さすがは安野光雅といったところ。中味もなかなか凝っていて、一つの食材や香辛料を取り上げて、それにまつわるエッセイとレシピ、そして和風には俳句、中華風と洋風の場合には歴史上の箴言をはさみ、ちょうど見開きで愉しめるようになっています。いまは文庫本となっていますが、ぜひとも単行本を入手して、時折ぱらぱらとめくる楽しみを味わってください。amazonなら古本でも購入できますよ。
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坂口安吾が面白い

 今年のお盆休み(とっくに過ぎてしまいましたが)に読もうと準備していたのが、坂口安吾の歴史三部作。とはいえ、部屋の片付けと酒のために読書は進まず、今頃になって読み出しています。歴史三部作というのは一般に通用する表現かどうか未確認ですが、手元の文庫本にはそのように明記され、『安吾史譚』『安吾新日本地理』『安吾新日本風土記』を指します。私の手元にあるのは河出文庫のもの、それぞれ初版が1988年2月4日、同5月2日、同11月4日となっており、まだ昭和であったわけです。ところが、遅い読者の私にとっては古本でしか手に入らず、amazonで購入した値段というのが、『安吾史譚』定価440円→1500円、『安吾新日本地理』定価580円→2500円、『安吾新日本風土記』定価480円→2100円と、結構な買い物になったのですね。なぜ今頃安吾かというと、先月読んだ川村湊『牛頭天王と蘇民将来伝説——消された異神たち』の影響なのです。京都の祇園祭に学生を連れて行くため、牛頭天王について少し調べていたのですが、この川村さんの著書がたいそう面白く、そこに引用されていた安吾の伊勢神宮について書いたエッセイが読みたくなって、今回の中古文庫購入となった次第。本来なら、そろそろ紀要原稿に手を付けねばならないのですが、なかなかねぇ・・・。
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いわしのとむらい

カボチャのエビ餡かけ

カボチャのエビ餡かけ,
originally uploaded by myonckr.

 一日中雨、朝の散歩も映画も諦めて、終日部屋の中で家事や読書。冷蔵庫・冷凍庫の掃除で夕飯、写真は冷凍庫から発掘したむきエビを使った「カボチャのエビ餡かけ」。淡泊なカボチャに、素麺つゆの残りを薄めた餡をかけました。読書と言えば、ワンクリックで購入後開封せぬままの本がアチコチに。その一つを明けてみると、下重暁子さんの「くちずさみたくなる名詩」がありました。彼女は元NHKアナウンサー、早稲田の国文出身でフリーになってからの文筆活動の成果の一つがこの本。どういう経緯で発注したかは忘れてしまいましたが、彼女自身による朗読CDを聞きながらの読書は贅沢な時間。大きめのマグカップでびーんず亭のコーヒーを飲みながら、いやぁすっかり夏休み気分の一日でした。


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夏色空間

 昨日まではTシャツを着て、その上にジャケットを羽織っていたのですが、今日からは半袖シャツで通勤。というのも、私にとっては今日から本格的な夏がはじまるからです。その根拠はというと、祇園祭の山立て・鉾立てがはじまるから。もちろん、祇園祭はすでにいろんな行事が始まっているのですが、やはり山鉾が登場しないと気分が出ません。言い換えれば、京都の夏の代名詞・祇園祭がいよいよ本格化する今日こそが夏の始まりと、勝手に決めているのです。そんなおじさんの気持ちをくすぐるかのように、数日前のamazonからのDMのこんな文句が目にとまりました。

40代~50代のおじさんおばさん世代が、青春時代に聴いていた懐かしい夏のヒットソングを集めた、オトナのためのサマーソング・コンピレーションです。山口百恵、キャンディーズ、ピンク・レディー、吉田拓郎、郷ひろみなど、ラインナップも超豪華!!あの頃の淡い夏の思い出にどっぷり浸りながら聴いてください。

 50代のおじさんとしては、これを見過ごすことは出来ません。迷うことなくワンクリック、夏色空間を購入したのでした。
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桂吉坊がきく藝

 今日の私のミッションは、インフルエンザ緊急対策本部の待機役、午前9時から午後7時まで、何かあった場合に対応するために学内にいるわけです。もっとも、何かあれば連絡していただくことにして、自分の研究室で(かなり)急ぎの仕事の書類作りをするつもりでした。んが、結局ついつい気になってこの本を一気に読了、いやぁ、おもしろかった。桂吉坊は故・吉朝のお弟子さんで、童顔ではありますが入門10年にしてその将来を嘱望される上方落語界のホープ。私も何度か聞いていますが、きっちりとした稽古に裏付けされた本格的な語り口は、同期の桂まん我ともども大変魅力的。その吉坊が朝日新聞社発行の「論座」の仕事で、東西の藝の達人たちへインタビューしたものをまとめたもの。いやぁ、おもしろいですねぇ。何がおもしろいかというと、祖父と孫(or曾孫)というくらいの年齢差がありながら、ちゃんと藝の上での質問が出来ると言うこと。つまり、大変な勉強家なのですね。府立東住吉高校芸能文化科卒業というのも嬉しくて、私の学生にも彼の後輩が一人います。もちろん、分野によって突っ込みの深浅の違いはありますが、こんな仕事が出来たと言うこと自体が、彼にとっては大変な財産となるでしょう。落語好き、古典芸能好きの方はぜひ一読を。もちろん、画像リンクをクリックしてお買い求めくださいね。
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