桂吉坊がきく藝

 今日の私のミッションは、インフルエンザ緊急対策本部の待機役、午前9時から午後7時まで、何かあった場合に対応するために学内にいるわけです。もっとも、何かあれば連絡していただくことにして、自分の研究室で(かなり)急ぎの仕事の書類作りをするつもりでした。んが、結局ついつい気になってこの本を一気に読了、いやぁ、おもしろかった。桂吉坊は故・吉朝のお弟子さんで、童顔ではありますが入門10年にしてその将来を嘱望される上方落語界のホープ。私も何度か聞いていますが、きっちりとした稽古に裏付けされた本格的な語り口は、同期の桂まん我ともども大変魅力的。その吉坊が朝日新聞社発行の「論座」の仕事で、東西の藝の達人たちへインタビューしたものをまとめたもの。いやぁ、おもしろいですねぇ。何がおもしろいかというと、祖父と孫(or曾孫)というくらいの年齢差がありながら、ちゃんと藝の上での質問が出来ると言うこと。つまり、大変な勉強家なのですね。府立東住吉高校芸能文化科卒業というのも嬉しくて、私の学生にも彼の後輩が一人います。もちろん、分野によって突っ込みの深浅の違いはありますが、こんな仕事が出来たと言うこと自体が、彼にとっては大変な財産となるでしょう。落語好き、古典芸能好きの方はぜひ一読を。もちろん、画像リンクをクリックしてお買い求めくださいね。

小沢昭一、茂山千作、市川團十郎、竹本住大夫、立川談志、喜味こいし、宝生閑、坂田藤十郎、伊東四朗、桂米朝。東西の各ジャンルの第一人者10人の芸の神髄が一堂に読める! 人間国宝・桂米朝の秘蔵っ子で、芸の虫である上方落語界の俊英が至福の時を案内する。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.