11月5日(木)は55回目の誕生日、自分へのご褒美(?)という勝手な理屈で、桂米二独演会へ行ってきました。何しろこの一週間は一泊二日の出張が2回入ったこともあって、いささか疲れ気味、その意味ではいいリラックスの時間となりました。会場は京都駅南のアバンティホール、チケットは落語つながりのWさんに手配していただき、最前列をゲット。足を組み替えたり投げ出したり自由に出来るので、ありがたい。今回は東京から
今夜の番組は、次の通り。
- ろくろ首(桂二乗)
- 米二さんに入門して7年目、まだまだ話のできをあれこれ評価する必要はないと思います。とにかく10年、師匠に教わったことをひたすら忠実に実行していただきたいですね。実は、「忠実に」というのが大変難しいことなのですね。入門直後はそれを受け入れるキャパがほとんどありませんから、余計なくすぐりや演出など考える前に、キャパを広げるための日常の努力がなにより。一層の精進を期待します、20分。
- 牛ほめ(桂米二)
- ご本人は開口一番、「一生懸命はやりません、軽くやります」とおっしゃっていたのです。しかし、軽めを意識しすぎたのか、マクラから最後までノリがいまいちでしたね。マクラが冗長すぎて、少しだれてしまい、居眠りをしてしまいました。ここは軽めに20分強でよかったのではと、30分。
- 猫の忠信(桂米二)
- プログラムに詳細な注がありましたが、やはりこの手の話は背景を知っているかどうかで楽しみ方が変わってきます。この噺を聞くたびに歌舞伎や文楽を見たくなるのですが、なかなか果たせません。常吉の女房の着物を縫うシーン、目線や間の取り方が大変結構でした。下げ前に今度の会の成功を予言する場面、ちと平板に流れてしまって落ちの効果が弱まったのは残念、42分。
- 中入り
- 禁酒番屋(柳家花緑)
- はじめて、生で聴くことが出来ました。言わずと知れた、人間国宝・5代目柳家小さんの孫。本人によれば、9歳から落語を始めたとのこと、羨ましい限りです。メディアによく登場されることもあって、高座に上がった瞬間会場が華やかになるのは人徳。マクラで小三治師が文我さんの会のゲストに登場し、1時間10分喋ったというのがおもしろかった。ネタは上方の「禁酒関所」ですが、早めに切り上げることを意識したのか、番屋の役人の酔い方が少し唐突すぎた印象を持ちました、25分。
- 初天神(桂米二)
- おなじみの噺ではありますが、下げまで聴いたのはずいぶんと久しぶりのような気がします。何と言ってもこのネタは子どもの表現がポイント、その点、こまんしゃくれて大人を言い負かし、それでも可愛らしさを失わないトラちゃんのキャラは、理屈言いの米二さんにはぴったり。結果的に親父さんも大層かわいくなっていいできでした。本日の秀逸、33分。