南光独演会@文楽劇場

[flickr id=”9651578132″ thumbnail=”thumbnail” overlay=”true” size=”original” group=”” align=”left”]  9月1日(日)、桂南光さんの独演会、国立文楽劇場初開催とあっては行かねばなりますまい。数日前にTwitter情報で新しいグッズを会場で販売するとのこと、見つけたのが写真、「寝床」をテーマとしたトートバッグと一筆箋。一筆箋の方はこの日のネタにあわせて「寝床」「子は鎹」をあしらったもの、実際に使うのはちともったいないかな。会の方は最前列でゆっくりと楽しませていただきました。ゲストの三遊亭小円歌さんは初見、映画・落語物語でスクリーンで見たときとは全く違った印象、華やかでかっこいい!南光師の二席も素晴らしい出来、十分に満足できる会でした。サンケイホールは大きすぎるので、この劇場くらいが丁度いいですね。


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平林(桂ちょうば
ざこば師のお弟子さんで、もう12年になるのですね。この人は若手ではお気に入り、もとストリートミュージシャンと言うこともあるのか、とてもテンポがいいです。噺が持っている本来のおかしさを味わえる、素直な語り口が大変結構です。役割をきちんと果たした15分。
寝床(桂南光
マクラでは、文楽に対する思い入れをたっぷりと語ってくれました。師匠と「娘義太夫」について教わったこと、師匠が文都師にこの噺を教わるのにオープンリールのデッキで録音したこと、いずれも既知のエピソードですが、文楽劇場で「寝床」を語る嬉しさが全身にあふれていました。この公演を積み重ねて文楽の観客増に貢献し、いずれは「床」で語りたいとの「夢」も披露されて会場は大賑わい。ネタもまことに結構、南光らしさを随所に感じさせますが、本筋通りにサゲまで。手元には「素人浄瑠璃」の映像はありますが、南光師でサゲまで聴くのは初めて。まことに意義深い会場と噺のコラボに酔いしれた58分。
中入り
三味線放談(三遊亭小円歌
宝塚スターを思わせる風貌、見事な三味線と唄、そして最後の踊り。いやいや、お見事であります。「両国風景」の言い立て、師匠連の出囃子など見所・聴き所満載でありました。ご本人の「両国風景」はなかったのですが、「御座敷芸」の映像があったのでお時間ある方、是非ご覧下さい。ご本人曰く、「これで4000円は安い」、ごもっともの24分。
子は鎹(桂南光)
近年はざこば師がよく演じられるので、上方でもポピュラーになってきましたね。もちろん、南光さんでは初めてです。江戸版だと、やはり「人情噺」に仕立て上げるせいかちと疲れることもあるのですが、そこは南光流。父と子、母と子、それぞれに情愛を表現するのですが少しもくどくない。「玄翁」のサゲも決まって、とても気持ちよく聴き終えることができました、充実の43分。

 4月の南光・南天二人会の時には、「火焔太鼓」に挑戦するのに必死のあまり、後の「質屋蔵」がぼろぼろだった南光さん。今回は、大ネタ二席をたっぷりと、余裕を持って披露してくれました。ぜひとも、文楽劇場で浄瑠璃ネタを一席入れた独演会、実現して欲しいと切に思います。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.