方便の旅

 たまたま見かけた歴史街道推進協議会のチラシで神崎宣武氏の講演会を知り、本日聴講してきました。もう四半世紀以上前の話ですが、当時遅れてきた大学院生として農村社会学を学び始めた私は、今は亡き米山俊直先生に色々とお世話になっていました。ある時、ゼミの打合せか何かで研究室を訪問すると先客がおられ、「宮本常一先生のお弟子さんだよ」と紹介していただきました。当時神崎さんは観光文化研究所で仕事をされていましたが、現在はその後継である旅の文化研究所の所長をされています。不勉強でお名前を存じ上げなかったのですが、「宮本常一の弟子」というだけで、突然目の前に大好きなタレントが現れたかのような印象を持ったことでした。
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柳家三三独演会(2012年9月9日)

 小遣いも厳しいので京都以外の落語会は自粛しているのですが、それでもPiaのメルマガで落語関係が来ると(それしか来ないのですが)ついつい見てしまい、「先行予約」などと言われるとダメ元でクリック・・・。今日もそんなチケットで昼から大阪・ABCホールへ行ってきました。柳家三三独演会「昼下がりの怪談噺」と銘打っての2席、13時開演の14時45分終演というコンパクトな会はあっさりしていて結構でした。昨日の昼・夜、そして今日の昼と3回興行、満席ではありませんでしたが、東京の若手真打ちがこれだけの興行ができるというのが凄い。ただし、個人的には大阪の会はこれが最後だろうなぁ(多分・・・)。
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大阪落語碑めぐり

 珍しくツレアイが月曜日に休み、それならと企画した本日のイベントは「大阪落語碑めぐり」。上方落語に関連する顕彰碑を訪ねようと、高津宮(高倉稲荷)・生國魂神社・坐摩神社にお詣りしてきました。お昼は前から行きたかった道頓堀の今井定番のきつねうどんを初めていただきました。もっとも、私は天丼に小きつねうどんを付けていただいたのですが、お出汁が誠にけっこう。薄味で上品ではあるけれど、油揚げとの相性が抜群。天丼は海老が二匹のったところへ、タレは別の容器で好みの量をかけるという出し方、このタレもまた美味しい。添えられたたくあん二切れも並ではない、全てにバランスの取れた「馳走」であります。

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三三・吉弥ふたり会へ行ってきました

 柳家三三さんが関西で聴けるときは、なるべく行こうと思っています。天満天神繁昌亭での吉弥さんとのふたり会、今年の1月27日(木)28日(金)の興行時には28日に行っていますが、今回も二日連続の二日目。座席は2階の最後列、見上げる天井には寄進者の名を記した提灯が吊されていますが、ちょうど上岡龍太郎さんと佐川満男さんのお名前の下でした。この繁昌亭、交通の便もよくてけっこうなのですが、なぜこの座席なのか。毎度のことながら、あと5cm余裕を持っていてくれたらと本当に思います。膝が前の座席につかえるし、隣の人の太ももにもあたってしまうし、場合によっては噺に集中できないこともあって興ざめ。設計された方は、どのような計算をされたのだろうかと、ついついぼやいてしまいます。
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三三・吉弥ふたり会@天満天神繁昌亭へ行ってきました

 柳家三三という噺家が気になったのは、映画・小三治を観たときのこと。映像内のほんの短い時間のコメントでかつ内容は忘れてしまったのですが、若いにもかかわらず、その存在感にビビッときたのです。初めて聴いたのは、昨年春の府立文化芸術会館でしたね。昨年末にはテレビの情熱大陸を拝見し、テレビ番組であることを割り引いても、落語に取り組む彼の姿勢と日常にはそれなりに感じ入ったことでした。吉弥さんが「兄さん」と読んでいたので「おや?」と思ったのですが、三三さんが1974年生まれの93年入門、吉弥さんが71年生まれの94年入門。なるほど、実年齢では吉弥さんが3年先輩ですが、入門は三三さんが1年8ヶ月早いのでこの世界では先輩になるのですね。二日公演の二日目でしたが、通して聴かれた方も多かったことでしょう。プログラム掲載の小佐田定雄さんの解説のタイトルは「凸凹ふたり会」、なるほど外見も芸風も言い得て妙、互いに競い合ってより一層精進してほしいものです。
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