孤宿の人

宮部みゆきさんの作品は、文庫化されたものはみな読んでいます。今週の通勤車内読書は孤宿の人、上下2冊をしっかり読んで、たっぷりと楽しませて頂きました。彼女の作品は、やはり現代物よりも時代物の方が好きですね。この作品は讃岐・丸海藩が舞台、もちろん、読めばすぐ分かるように丸亀のことです。私にとっては、大学1年生の夏休みに友人宅を訪れた懐かしい町。善通寺や多度津とともに、瀬戸内の気候や街並みは古い記憶として残っています。この物語を構成する二大要素は御霊信仰と毒、とりわけ御霊信仰については私の授業で取り上げる内容でもあるので、学生諸君にも是非一読を勧めたいと思います。リンクをクリックして、amazonでご購入下さい。


 私は小説(とくに長編の場合)を読む時に、頭の中で登場人物を、自分なりにキャスティングして楽しみます。十分に読み込んでからの作業ではなく、ほとんど瞬間的にやってしまうのです。今回の場合、「加賀様」が登場した瞬間にイメージしたのは、田村高廣さん。たぶん、夕飯時に見続けていた司馬遼太郎の「街道を行く」を映像化したNHKスペシャルのナレーションを彼が担当していたことと関係あるかもしれません。
 あまり内容に関わることは書きたくないのですが、amazonの紹介データは次の通り。

内容(「BOOK」データベースより)
北は瀬戸内海に面し、南は山々に囲まれた讃岐国・丸海藩。江戸から金比羅代参に連れ出された九歳のほうは、この地に捨て子同然置き去りにされた。幸いにも、藩医を勤める井上家に引き取られるが、今度はほうの面倒を見てくれた井上家の琴江が毒殺されてしまう。折しも、流罪となった幕府要人・加賀殿が丸海藩へ入領しようとしていた。やがて領内では、不審な毒死や謎めいた凶事が相次いだ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宮部 みゆき
1960(昭和35)年、東京生れ。’87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。’89(平成元)年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞を受賞。’92年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞を受賞。’93年『火車』で山本周五郎賞を受賞。’97年『蒲生邸事件』で日本SF大賞を受賞。’99年には『理由』で直木賞を受賞。’01年『模倣犯』で毎日出版文化賞特別賞。’02年には司馬遼太郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.