京都・らくご博物館【秋】〜栗名月の会〜

 職場では明日から大学祭、学生たちは各々の企画の準備、本館前では業者が入ってメインステージの設営。私はといえば、朝から2コマの授業を終えた頃には、喉の痛みも一段落して、むしろ元気が出てきました。午後は非常勤講師のO君にネット翻訳のレクチャーなどしつつ、早めに退出して京都国立博物館へ。らくご博物館も数えて15回目、開場直前に到着したので、次回のチケット販売の列に並んでお気に入りの席をゲット。仕事を終えて着物に着替えたツレアイと開演直前に合流。久しぶりの生落語を楽しめました。

 今夜の番組は次の通り。

みかん屋(桂さん都)
都丸さんのお弟子さん、だいぶ緊張していた様子ではじめの数分間は言葉があまり聞き取れません。素直さは認められますね、15分。
始末の極意(桂宗助)
私よりも10歳若い、というよりも後に出てくる九雀さんよりも3歳若いのですが、納得できないほどの貫禄と恰幅。そしてそして、本当に上手ですね。今風の演出など何もなく、マクラも本題も(おそらく)師匠に教わったままではないかと思ってしまうほど、何も変えていない。そして、素直に笑えます。誰もが知っているマクラとオチを普通に演じる実力はすごい、17分。
猫の忠信(桂九雀)
個人的な感慨ですが、九雀さんと雀々さん、似てますよね? 顔と身体の大きさ、そして存在そのものもスケールが大きい。私の好きな噺家の一人ですが、今日はいささか力が入りすぎか、大事なところで2度ほど噛んでいましたね。それでも、マクラの「午後9時半のブログ」には笑ってしまいました。かなり満足の33分。
中入り
このところこの会はすっかり京都に定着し、毎回立ち見の出る人気。ちなみに、普通の席は一人3000円ですが、立ち見は1500円というのを今回初めて知りました。
稽古屋(林家染二)
龍谷大学の出身、例によって「親鸞と漢字で書ければ合格」「法然と書いて落ちた」という定番マクラで始まりました。熱心に勉強されているようですね、踊りの場面などはご本人も自信ありげに、お囃子と掛け合いながら楽しそうに演じられています。ただ、語尾がはっきりと確認できないしゃべり方、締まりがなくて少し聞きづらいかも。19分。
鯛(桂都丸)
今年は入門30周年ということで、精力的に独演会をこなしておられます。顔色が「陽に焼けている」というよりも「煤をかぶったよう」に見えてしまうのはご愛嬌。今日のネタは桂三枝氏の創作ですが、いろんな方が取り組んでおられるようですね。料亭の生け簀の中の鯛の立場からのストーリー展開なのですが、ん〜む、あまり面白いとは思えないのですね。局面毎に笑いをとることはできるのですが、もっと短い小咄程度ならエスプリの利いた佳作として評価されるのでは? 中途半端な33分。

 さて、明日は準備のために早めに出勤せねばなりません。それにしても、雨はどうかな? 🙄

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.