このところすっかり落語つながりのnonkiさん、Wさんとうちの夫婦4人で行ってきました。昨年来の「ちりとてちん」人気もあってか、開場30分以上前にかなりの人が列を作っています。会場の京都会館第2ホールは2階部分が自由席の設定、そのための行列だったのです。もちろん、我々は「年間席札」を持っていますから悠々の入場、前から4列目の席に座って堪能できました。終演は丁度21時、そのままタクシーで帰宅して「カレー・パーティー」、ビール・ワイン・焼酎と進んだ酒宴は午前1時にお開き、私が「寝る!」と宣言しなければまだまだ続いたかも知れません。いやぁ、よく笑いよく喋りそして、よく食べた夜でした。
私にとっては久しぶりの市民寄席、何しろ前回は2006年12月のことです。数年前までは京都会館での開催時には空席が目立つことが多かったのですが、近頃はチケット入手が困難だとか。落語ファンとしてはありがたいこと、できれば新京極あたりに小さな定席でもあれば言うことなし。
さて、今回の演目は次の通り。
- 笑福亭呂竹「江戸荒物」
- 笑福亭呂鶴さんのお弟子さん、実は呂鶴さんは私の出身高校の落語研究会の創設者、当時はスリムでダンディだったのですが・・・ 😆 さて、呂竹さんははじめて聴きました。このネタは私が落研の時に2番目に憶えたネタです。当時はまず最初は全員で「つる」を稽古し、次からは自分の好きなネタに取り組むというやり方でした。私の場合には上級生に教わりましたが、いやぁ懐かしいネタですねぇ。いささか緊張気味で、サゲ前の女中さんのあたりでは疲れたのか、ちょっとメリハリがなくなってきました。前座噺ではありますが、やり方によっては笑いもとれるネタ、精進を期待しましょう。16分
- 桂 米左「持参金」
- 昨年の職場の公開講座開講式に、ゲストで来ていただきました。この噺は知らない方でもすぐに展開が読めてしまうので、最後まで持って行くにはけっこう力がいります。さすがにキャリアがあるだけ、無難にこなされています。多分米朝師につけていただいたのでしょうが、米朝流をそのままかえずに演じているという印象を持ちました。彼なりのスタンスなのでしょうが、ちょっと物足りなさを感じたりもしています。出番に対する配慮なのかも知れませんが、力のある人なのでもう少し個性を出して欲しいなと。19分
- 笑福亭鶴志「試し酒」
- 見るたびに身体が大きくなっているような、ダイエット中の私からすれば本当に心配してしまいます。例によって、六代目の話題のマクラから酒の噺。だいぶ以前にNHKテレビで五代目小さんで聴いたことがありますが、誠にけっこうでした。ストーリーは触れませんが、演者の工夫のしがいのある噺、鶴志さん、聴かせますねぇ。酒の飲み方、都々逸の下り、にんまりとさせられます。満足の24分。
- 桂春団治「祝のし」
- 来年で襲名50年だとか、感無量です。四天王もちゃんとした話が聞けるのはこの人だけ、それだけに声の張り・艶の衰えは(当然とはいえ)寂しいですね。ま、50年頑張ってこられたのですから、かつての姿と比較できるほど聴いて来られたことに感謝すべきかも知れません。25分。
- 中入り
- 今頃気づいたのですが、昨晩のプログラムには「仲入り」とプリントされています。めくりはどうだったかな?辞書的には「中入り」だと思うのですが。
- 桂 米八「曲独楽」
- 相変わらず見事なパフォーマンス、お盆回し→皿回し→独楽回しという流れはもはや定番。寄席の彩りとして貴重な存在です、15分。
- 笑福亭鶴瓶「死神」
- あまりにも有名な落語を鶴瓶流に再構成したもの、もちろんはじめて聴きました。聴き所は二つ、一つは死に神が消える呪文、もう一つは下げ。中味は言えませんが「呪文」がなぁ・・・、サゲそのものは良かったですよ。ただ下げ前がいささか慌て気味だったのは、はっきり言って稽古不足、ネタ繰りが足りないと思います、熱演ではありましたが。37分。