第1回 桂文我独演会

アサリとキャベツの酒蒸し 三連休の最後は寒い一日、夕方から京都府立文化芸術会館で行われた、第1回桂文我独演会へ行ってきました。枝雀さんに入門して今年で30年、雀司から文我を襲名して13年、いまや風格さえ感じさせる上方きっての勉強家。出身が三重・松阪市、私にとっては8年間単身赴任した懐かしい街、松阪での文我襲名公演にも行きました。今夜は東の旅を紹介する番組で、三十石の通しは大変珍しく、意義深い一夜となりました。終了後は、同行したharimayaさん、norisanさんと一緒に拙宅での宴会。ツレアイお得意のカレー2種に私の新作は写真にある「キャベツとアサリの酒蒸し」、もちろん午前中に仕込みを済ませたもの。落語会以上の盛り上がりも適度な時間にお開きとなって、連休最後の夜はきわめて健康的な雰囲気のうちに終わろうとしています。

 今夜の番組は、次の通り。

七度狐(桂まん我)
文我さんのお弟子さん、入門10年だそうですが、師匠同様に努力家であり有望株ですね。ただ、本日は時間を意識したのか大変堅い入り、キーワードでもある「べちょたれ雑炊」「下の村のおさよ後家」の2カ所を噛んだのは悔やまれます。せっかくの初めての独演会、最初にそれなりの挨拶が欲しかったですね。あれよあれよという間に話に入ってしまい、客席にはけっこうとまどった空気が流れていました。
走り餅(桂宗助)
米朝師のかなり遅いお弟子さんですが、風貌も語り口もベテランの域、実際とても上手な方です。まん我さんの七度狐をうけて、伊勢参りの帰路の大津から京都へと向かう逢坂の関を舞台にした噺。上方落語ではあまり武士の登場するものは少ないのですが、ここも武士は揶揄される対象。二番手の役割を十分意識した軽めの語り、個人的にはもう少しじっくり聞きたいですね。
三十石夢の通い路(桂文我)
上方落語の「東の旅」の最後の場面、京見物を終えて伏見から船に乗って大坂へ帰るまでの道中。大きな笑いをとるものではありませんが、風俗・風景描写に優れた叙景落語とでも言うべきもの。今日は、三条大橋から伏見人形、船宿から枚方を過ぎて泥棒を押さえる顛末で最後の落ちまで。古典の教科書をおさらいする気分で聞かせて頂きましたが、さすがに長丁場、落ち前の下げの仕込みの部分が早口になってしまって、あまり効き目がありませんでした。やはり、初独演会の緊張か、疲れが出てしまいましたね。
仲入り
休憩中に、昨年発売された「落語でお伊勢参り」を購入、5000円なり。
立体紙芝居(桂米平)
巨体で有名な米平さん、顔に似合わぬ「シンデレラ」というタイトルだけで笑いをとっていました。ツレアイが過剰に反応したことが、個人的には恥ずかしかったです。しかし、宗助さんの方が2歳若いのですね、う〜〜む。
本能寺(桂文我)
個人的には、生では初体験。上方流の芝居噺を堪能させて頂きました。しかし、前半の三十石で聴衆もかなり疲れていた様子、少し喋りすぎた感があって、客席はお疲れモード。下げの後は、異例の手締めがあったりして、初めての独演会らしく、新鮮な感覚で終えることができました。

 今更ながら、文我さんの独演会が初めてと言うことに驚いています。大変な努力家で多くの会を精力的にこなしておられますが、その成果を十分に感じ取ることのできる会であったと思います。今後は毎年この会を続けられるよし、ぜひ続けて聞きたいと思います。と同時に、中堅以上の噺家さんで、弟子をとっておられない方の存在が気になります。枝雀一門も、南光・雀三郎以外では文我さんだけ。雀松・雀々・九雀と言ったあたりにも、ぜひ後進育成について奮闘をお願いしたいところです。
 終了後は拙宅にて食事会、ゲスト2名と家族4名でテーブルは一杯。料理もお喋りも、年末年始の一連の宴会の中で、もっとも「大人の夜」でありました。おやすみなさい。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.