第204回上方落語勉強会

 通勤経路の阪急京都線・千里線は、中高生の春休み突入で普段よりも幾分混雑も緩和され、沿線の桜開花状況を楽しんでいます。しかし、大学はそろそろ在学生向けのオリエンテーションが始まる時期、私の職場も明日からのオリエンテーションに向けて準備をしています。とはいえ、今日は早めに退出して友人諸氏と久々の落語会。京都府立文化芸術会館で開催された、第204回上方落語勉強会へ行ってきました。この会は、スタートしたのが私が大学へ入った頃、非常に息の長い会です。和室のキャパシティは100人程度、私たち5人は後ろ3列に用意された長いすの真ん中に陣取っての鑑賞、満足のうちに終わる頃にはお腹がグーグー、タクシーを飛ばして大丸南の楽仙楼で遅めの夕食。これも遅めの仕事帰りのsampe氏も合流して、春の夜の小宴会と相成りました。名物の水餃子はもちろんですが、最後に食べたラーメンが美味しかった!

 本日の番組は、次の通り。

宿屋町(桂さん都)
おなじみ東の旅のラスト近く、大津の宿でのドタバタのさわりの部分。ところが、何度も噛んだ上に、下げる時にネタを言い間違えるという大失態。後で米二さんがフォローされていましたが、全体としてネタ繰りが不足していたという印象。若い間にしかできないこと、ひたすらのネタ繰り修行を願います、18分。
天災(笑福亭風喬)
松喬さんのお弟子さんですが、初めて聞きました。風貌と語り口は師匠譲りの笑福亭らしさがぷんぷん、ただWBCや阪神などの野球ネタを入れるのは感心しません。本来のネタの世界から一挙に引き戻されて、落語の世界を楽しめなくなるのです、私のような人間には。期待と不満がない交ぜになっての22分。
お題の名付け親はあなたです(林屋染左)
この会の特色である、新作落語の題目を参加者が決めるという企画。家にいられぬ事情のある隠居が、離れの普請を頼んだ大工の家でついつい長居をするという噺。なかなかよくできた小品ですが、会場からの投票の結論は「KY」、なるほど言い得て妙ですね。中身には触れないことにしましょう、もう一度聞いてもいいかなと思える出来でした、23分。
はてなの茶碗(桂米二)
1500円の入場料で、中入り後の2席を楽しめるのは、非常に満足感が高いですね。さん都君同様に、米二さんも午後のワークショップの延長で疲れ気味、そつなくこなしてはいましたが。大阪の噺家が京都でこの噺をやるのは気を遣うと言いますが、京都人の米二さんだけに、客席は仲間内の笑いという盛り上がり方。抑えめの25分でした。
らくだ(桂宗助)
いつもながら、宗助さんの存在感はすごいです。その語り口も、年齢以上の重厚さ、私などからすればある種のあこがれの作品でもある「らくだ」を堂々と演じきります。棺桶を担いでいくシーンで切りましたが時間の調節も無難なところ。もっとも、もう少し聞いていたい気分と早く終わってビールを飲みたいと言う気持ちが半々、終了後は下足の混雑を避けるためダッシュで脱出、37分。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.