いわしのとむらい

カボチャのエビ餡かけ

カボチャのエビ餡かけ,
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 一日中雨、朝の散歩も映画も諦めて、終日部屋の中で家事や読書。冷蔵庫・冷凍庫の掃除で夕飯、写真は冷凍庫から発掘したむきエビを使った「カボチャのエビ餡かけ」。淡泊なカボチャに、素麺つゆの残りを薄めた餡をかけました。読書と言えば、ワンクリックで購入後開封せぬままの本がアチコチに。その一つを明けてみると、下重暁子さんの「くちずさみたくなる名詩」がありました。彼女は元NHKアナウンサー、早稲田の国文出身でフリーになってからの文筆活動の成果の一つがこの本。どういう経緯で発注したかは忘れてしまいましたが、彼女自身による朗読CDを聞きながらの読書は贅沢な時間。大きめのマグカップでびーんず亭のコーヒーを飲みながら、いやぁすっかり夏休み気分の一日でした。



 この本は著者が好む詩を紹介しつつ、その詩・詩人と自分にまつわる短いエッセイを付けて構成されています。取り上げられているのは全45品、萩原朔太郎・北原白秋・中原中也・上田敏など。その多くは私も記憶に残っているものですが、恥ずかしながらほとんど知らなかった金子みすゞ・新川和江・石垣りん・茨木のり子といった女性詩人たち。タイトルは、金子みすゞの「大漁」の一説、いやぁ面白いですね。短いので引用しておきます。

朝やけ小やけだ
大漁だ
大ばいわしの
大漁だ。

はまは祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
いわしのとむらい
するだろう。

 面白いですね、例えは悪いかもしれないけれど、魚の立場からの「生活環境主義宣言」のようで楽しめました。お盆休みには、改めてゆっくりと朗読を楽しむことにします。

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.