住大夫師の引退で大勢のファンが詰めかけた4月公演、その後もメディアでは盛んに師と文楽に関する記事や番組が続いています。それはそれとして結構なことですが、やはり次代を担う若手にも注目して欲しい、ということで21日(土)の公演チケットを手配しました。遅れてきたファンとして、とにかく100回観るまでは批評がましいことは控えようとの基本路線に従って、ひたすら楽しんで参ります。
- 万才(まんざい)
- 昨年の地方公演、10月7日(月)京都文化芸術会館で観ました。その時は「花競四季寿〜万歳・鷺娘」という表記でしたが、今回は「万才」、何か使い分けに根拠があるのでしょうか?
- 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
- 寺入りの段
- 寺子屋の段
- 4月公演で通しを楽しんだばかり、それ故ストーリーが頭に入っているので随分と楽に鑑賞できました。子どもの頃から落語に親しんできた私には、三業とは言えやはり大夫の語りが気になります。今回は、寺子屋の段の前半を担当された靖大夫さんが誠に結構、後の芳穂大夫さん共々研鑽ぶりが伺えます。
- 卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)
- 平太郎住家より木遣り音頭の段
- 私の研究フィールドである熊野に因んだ話、2012年1月公演でも観ています。熊野市紀和町にある「楊枝薬師」はお気に入りスポットの一つ、この段との関わりでいえばみ熊野ネットに丁寧な解説があります。ここでは睦大夫さんが奮闘されましたが、最後は少し息切れしてしまいましたね、お疲れ様。人形では「お柳」の一輔さん、良かったですよ。柔らかい仕草と凛とした気性がどちらも十分に表現されていたように思えます。私には珍しく、人形の動きにひきつけられていました。
次は7月公演、段々と文楽カレンダーが生活リズムに溶け込んできました。