第200回記念 上方落語勉強会

 土曜日の仕事を昼で切り上げたツレアイと蒟蒻カレーうどんで昼食を済ませ、京都府立文化芸術会館でnonkiさんと合流、落語を聴いてきました。今日の催しは、1972年からはじまった「上方落語勉強会」の200回記念、1年に6回開かれているのですが、ここまで継続しているとはたいしたもの。中入り後米二さんと小佐田定雄さんとの対談の際、入院中の米朝師のインタビューの様子が流されました。私自身はこの会には近年ほとんど来たことはありませんが、思い返してみると、大学へ入学した年に友人たちをつれて来たことがあります。出演者の一人が絶句してしまい、最初からやり直したことがあって、鮮明に覚えています。それ以来30数年、決して順風満帆ではなかったと思いますが、サポートする京都府・京都文化財団も立派、どこやらの文化予算カット知事に聞かせてやりたい話題ですね。

 本日の番組は次の通り。

桂 二乗「子ほめ」
米二さんのお弟子さん、きっちりとした稽古をされているという印象を持ちます。決して客にうけようなどというスケベ根性をださず、きちんと演じればちゃんと聴いてくれるということをわかっている(のかな?)、13分。
桂 都んぼ「かわり目」
都丸さんの一番弟子、非常にパワフルで明るい雰囲気、若手の注目株の一人ですね。噺もうまいと思いますし、じっさい、よく受けていました。後はご自身のネタの解釈、今日の「かわり目」は女房を使いに出した後の酔っぱらいの独白が聞かせ処ですが、正直に言えば「若いなぁ」という印象。彼の年齢からすれば、夫婦の機微などということは実感できないのが当たり前ですが、何というのか、芝居をしすぎてしまうのですね。数年後に同じネタを聴いてみたいと思いました、21分。
桂 米二「ご近所の掟」
プログラムの解説によれば、この会で落語作家の台本を演じるようになったのは1983年から。客がそのネタに題をつけるというやり方で、現在まで続いています。「くまざわあかね」さん作のものですが、ペット禁止のマンションへ子どもが捨て猫を連れて帰って起こるドタバタ。オチも想像しやすいので、小咄程度に軽くやるなら使えるネタかも知れません、22分。
桂 千朝「千両みかん」
米朝一門では、吉朝・千朝・米八・米二という入門順、独特の語り口を持った方です。決してペースを崩さずに、自分のリズムで演じきります。しかし、聴いている側はもう少しメリハリがほしいと思ってしまいます。私の周辺は途中で眠りはじめました(私も)、34分。
中入
舞台のめくりには「中入」となっていましたが、プログラムには「仲入」となっていますね。
桂米二・小佐田定雄「200回おもいで噺」
入院中の米朝師の声、小米朝さんと米二さんが同席されてのやりとり。どうぞ、養生専一に。小佐田さんがメモを見ながらこの会の第一回の出演者名を挙げておられたのですが、少し後でメモしたのでひょっとすると順序に間違いがあるかも知れません。「べかこ(現南光)・すずめ(現小米)・春若・音也・朝丸(現ざこば)・米朝・小米(故枝雀)」、いやぁ感慨深いものがありますね。音也さんは元ABCアナウンサーで、脱サラでプロの落語家になられ42歳で早世された方、この会の初代世話人であったそうです。
桂 雀松「天神山」
私の好きな噺家の一人、今日のネタは高校最後の文化祭で演じたネタ。当時は、小米さんのラジオ録音をおこして憶えました。生で見ていませんから、今から思えば冷や汗ものですが、いい想い出です。雀松さんはほぼ師匠の型どおりに演じておられ、下げ方も36年前に私が聴いたのと同じ。ネタくりを怠らずやっておられるのでしょう、いい出来でした、26分。
全員「大喜利」
米朝師の休演ということで、急きょ大喜利が入りました。雀松さんの進行で、なぞかけ・やりくり川柳・リレー落語とテンポ良く流れて結構でした。

 演者それぞれのプロフィールは、米朝事務所のページをご参照いただくと便利です。個人サイトをお持ちの方も、ここからリンクされています。
 米朝事務所

投稿者: myon

このブログの管理人は,京都の下町に住み,大阪の女子大に勤務するお気楽オジサンです.通勤車内の読書記録・上方落語鑑賞メモ・料理食べたり作ったり・同居猫ココの日常などを主なコンテンツとしています.