私などにとっては南座というと敷居の高い劇場には違いありませんが、落語会となれば話は別。前回は2月19日(土)の桂塩鯛襲名披露公演、今回は昨晩の桂米朝一門会。前回同様今回も三階席、チケットは(ほぼ)完売状態でしょうね。六席たっぷりと聴いて、しかも南座で3500円、十分に満足できる一夜となりました。終了後は雨の中バスを乗り継いで帰ったのですが、遅い時間に調子に乗っての飲食はやはりいけません。今朝の体重は、恐ろしい数字となっておりました。
昨晩の番組は、次の通り。
- 金明竹(桂しん吉)
- 故・吉朝さんの四番目のお弟子さん、キャリアは13年ですが、しっかりしたはります。この咄は上方ではあまり聴かないと思っていたのですが、3年前の第291回市民寄席で出ていましたね。大変聴きやすい高座で結構でした(13分)。
- 豊竹屋(桂米左)
- 米朝師の数えて19番目のお弟子さん、実は4年前に職場へお越しいただいたことがあります。その時は生涯学習センターの開講式でしたが、慣れない場所だったのか非常に控えめで大人しい印象でした。昨晩は打って変わって大層賑やかな高座、ご自身も歌舞伎・分楽がお好きとかで、ノリノリの高座でした(21分)。
- 青菜(桂米團治)
- この人の落語については論評しないことにしています(21分)。
- へっつい幽霊(桂ざこば)
- 頭を上げるなりいきなり羽織を脱いで「孫」を歌い出し、孫はかわいくないと、いつもながら家庭ネタのマクラで笑いを取っています。近頃では「へっつい」の説明をマクラでしておくことが多いのですが、さすがに場所柄・客層を見て余計なことは言わずに本題へ。季節を意識しながらも軽めの演出、誠にいい出来映えでした(32分)。
- 中入り
- 八五郎坊主(桂雀三郎)
- 中入り後は枝雀一門から二人、入門は南光さんの方が先ですが年齢は雀三郎さんが上、還暦過ぎてますね。京都ということで、例によって大学ネタ。ご自身は龍谷大学を中退されましたが、入試では「合い言葉は?」「親鸞」これで合格と、定番のギャグで沸かせていました。この咄は枝雀師からつけていただいた(ほぼ)そのままという演出、それに徹するのも一つの方法でしょうが、できれば独自の工夫をのぞみたいところです(21分)。
- 千両みかん(桂南光)
- これも夏の噺、とはいえ主人公の番頭の描き方でずいぶんと異なった印象を与える難しい咄ですね。百年目のような重厚な番頭ではなく、律儀ではあるがあまり気が走ることはない、どちらかと言えば庶民は番頭とでも呼ぶべきか。ともかく、「み・み・み・みかん!」の番頭さんで大爆笑、本日の秀逸(31分)。